『遅筆堂文庫物語—小さな町に大きな図書館と劇場ができあがるまで』
遠藤征広〔著〕 B6・240頁 1998.6刊
定価1,470円(本体1,400円) ISBN 4-8169-1496-X
http://www.reference-club.com/fs/nichigai/gr17/gd125
その膨大な蔵書が生ま れ故郷の山形県川西町に寄贈され、1987年「遅筆堂文庫」という町の図
書館(1994年「川西フレンドリープラザ」内へ移転)が誕生する軌跡を 当事者が描いたドキュメンタリーです。その後も本の寄贈は続き、2010
年現在、所蔵数はなんと22万冊に及ぶ。
川西フレンドリープラザ「遅筆堂文庫」:
http://www.plaza-books.jp/
「遅筆堂文庫」は、本の分類が「日本十進分類法」(NDC)
ではなく、 独自分類。
たとえば、「E」は井上さんが選考委員を務める文学賞選考本だったり、
「R」は執筆した作品ごとの参考文献であったり…。この分類表は172頁
に出ています。そして、一部の本に書き込まれた赤線や付箋のメモは、
そのままの状態で残してあるそうです。「遅筆堂文庫」の棚を眺めた
来館者の、「大好きな井上ひさしの脳内を浮遊している気分」(p146)
という感想が印象的です。