世界的水準の学識とともにこうした見事な文体を持つ外国文学者 阿部良雄

追悼・阿部良雄 松浦 寿輝 ちくま (432), 10-13, 2007-03
https://www.chikumashobo.co.jp/pr_chikuma/0703/070301.jsp
文化季評(11)阿部良雄あるいは情熱と責任 松浦 寿輝 UP 35(7), 57-61, 2006-07
http://www.utp.or.jp/topics/up/up2006/

1. マラルメの詩学 / イヴ・ボヌフォワ[他]. -- 筑摩書房, 2003.9
2. ありそうもないこと / イヴ・ボヌフォワ[他]. -- 現代思潮新社, 2002.8. -- (エートル叢書 ; 14)
3. バルテュス / バルテュス[他]. -- 新装復刊. -- 白水社, 2001.5
4. ボードレール批評. 2 / シャルル・ボードレール[他]. -- 筑摩書房, 1999.3. -- (ちくま学芸文庫)
5. ボードレール批評. 1 / シャルル・ボードレール[他]. -- 筑摩書房, 1999.1. -- (ちくま学芸文庫)
6. 群衆の中の芸術家 / 阿部良雄. -- 筑摩書房, 1999.10. -- (ちくま学芸文庫)
7. ボードレール批評. 4 / シャルル・ボードレール[他]. -- 筑摩書房, 1999.5. -- (ちくま学芸文庫)
8. ボードレール批評. 3 / シャルル・ボードレール[他]. -- 筑摩書房, 1999.4. -- (ちくま学芸文庫)
9. 宮川淳著作集. 2 / 宮川淳[他]. -- 新装版. -- 美術出版社, 1999.9
10. 宮川淳著作集. 1 / 宮川淳[他]. -- 新装版. -- 美術出版社, 1999.9
11. 宮川淳著作集. 3 / 宮川淳[他]. -- 新装版. -- 美術出版社, 1999.9
12. ボードレール全詩集. 2 / シャルル・ボードレール[他]. -- 筑摩書房, 1998.5. -- (ちくま文庫)
13. ボードレール全詩集. 1 / シャルル・ボードレール[他]. -- 筑摩書房, 1998.4. -- (ちくま文庫)
14. バロックの幻惑 / イヴ・ボヌフォワ[他]. -- 国書刊行会, 1998.8
15. ヨーロッパ・ロマン主義を読み直す / 山内久明,阿部良雄,高辻知義. -- 岩波書店, 1997.11. --
(岩波セミナーブックス ; 67)
16. ヴィヴァン. 第5巻. -- 講談社, 1996.9
17. フランシス・ポンジュ詩集 / 阿部良雄. -- 小沢書店, 1996.8. -- (双書・20世紀の詩人 ; 21)
18. シャルル・ボードレール / 阿部良雄. -- 河出書房新社, 1995.6
19. ミツ / バルテュス[他]. -- 泰流社, 1994.1
20. モデルニテの軌跡 / 阿部良雄. -- 岩波書店, 1993.2
21. ボードレール全集. 6 / 阿部良雄. -- 筑摩書房, 1993.11
22. 群衆の中の芸術家 / 阿部良雄. -- 中央公論社, 1991.4. -- (中公文庫)
23. マリー・ローランサン / ジョゼ・ピエール[他]. -- 美術公論社, 1991.9
24. 群像日本の作家. 14 / 大岡信. -- 小学館, 1991.10
25. イメージの魅惑 / 阿部良雄. -- 小沢書店, 1990.10
26. ボードレール全集. 5 / 阿部良雄. -- 筑摩書房, 1989.6
27. 西欧との対話 / 阿部良雄. -- 第三文明社, 1989.4. -- (レグルス文庫 ; 180)
28. 絵画が偉大であった時代 / 阿部良雄. -- 小沢書店, 1989.10
29. ボードレール全集. 4 / 阿部良雄. -- 筑摩書房, 1987.6
30. バルテュス / 阿部良雄,与謝野文子. -- 白水社, 1986.6
31. ミツ / バルテュス[他]. -- 風信社, 1986.12
32. ボードレール全集. 3 / 阿部良雄. -- 筑摩書房, 1985.7
33. 現前とイマージュ / イヴ・ボヌフォワ[他]. -- 朝日出版社, 1985.1. -- (ポストモダン叢書 ; 5)
34. ボードレール全集. 2 / 阿部良雄. -- 筑摩書房, 1984.4
35. ボードレール全集. 1 / 阿部良雄. -- 筑摩書房, 1983.10
36. ヴァン・ゴッホ / カミーユ・ブールニケル[他]. -- 小学館, 1983.10. -- (世界伝記双書)
37. ひとでなしの詩学 / 阿部良雄. -- 小沢書店, 1982.9
38. 絵画が偉大であった時代 / 阿部良雄. -- 小沢書店, 1980.7
39. 十九世紀フランス詩 / ドミニック・ランセ[他]. -- 白水社, 1979.7. -- (文庫クセジュ)
40. 若いヨーロッパ / 阿部良雄. -- 中央公論社, 1979.5. -- (中公文庫)
41. クールベ画家のアトリエ / ベネディクト・ニコルソン[他]. -- みすず書房, 1978.6. --
(アート・イン・コンテクスト ; 6)
42. ボードレールによるエチュード / 阿部良雄,佐藤東洋麿. -- 朝日出版社, 1977.4
43. ボードレール / ジョルジュ・ブラン[他]. -- 牧神社, 1977.7
44. ランボー / イヴ・ボヌフォワ[他]. -- 改訂版. -- 人文書院, 1977.6
45. パリの家 / エリザベス・ボウエン[他]. -- 集英社, 1977.11. -- (集英社文庫)
46. ボードレールの世界 / 阿部良雄. -- 青土社, 1976.4
47. 悪魔と反復 / 阿部良雄. -- 牧神社, 1975.12
48. 群衆の中の芸術家 / 阿部良雄. -- 中央公論社, 1975
49. ポンジュ人・語・物 / ポンジュ[他]. -- 筑摩書房, 1974
50. 女帝の罠 / カミーユ・ブールニケル[他]. -- 河出書房新社, 1972. -- (今日の海外小説)
51. 西欧との対話 / 阿部良雄. -- 河出書房新社, 1972
52. ランボー / イヴ・ボヌフォワ[他]. -- 人文書院, 1967. -- (永遠の作家叢書)
53. 夢の展開 / 阿部良雄. -- 阿部良雄, 1965
54. 新しいフランス / 渡辺一夫,阿部良雄. -- 河出書房新社, 1964. -- (Kawade paperbacks)
55. 若いヨーロッパ / 阿部良雄. -- 河出書房新社, 1962

『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』

［原題］　ＴＨＥ ＳＨＡＬＬＯＷＳ ： Ｗｈａｔ ｔｈｅ Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｉｓ Ｄｏｉｎｇ ｔｏ Ｏｕｒ Ｂｒａｉｎｓ
（人を「shallow(浅薄)」にする、物事について創造的に、複雑に、概念的に考えることをできなくさせる傾向がある）
201007刊／四六判／364頁
C0030　定価2310 円（本体2200 円)
ISBN978-4-7917-6555-3

［著者］　ニコラス・Ｇ・カー（Ｎｉｃｈｏｌａｓ Ｇ．Ｃａｒｒ）
著述家。『ガーディアン』 紙などでコラムを連載するほか、多くの有力紙誌に論考を発表。テクノロジーを中心とした社会的、文化的、経済的問題を論じる。著書は多くの言語に翻訳され、日本での既刊書に、『
ＩＴ にお金を使うのは、もうおやめなさい』（ランダムハウス講談社）、『クラウド化する世界』（翔泳社）がある。『エンサイクロペディア・ブリタニカ』
の編集諮問委員会、ならびに世界経済フォーラムのクラウド・コンピューティング・プロジェクト運営委員会のメンバーである。

［訳者］　篠儀直子（しのぎ・なおこ）
名古屋大学大学院（西洋史学）・東京大学大学院（表象文化論）を満期退学後、東京大学などで非常勤講師。訳書に、『フレッド・アステア自伝』、『グローバル権力から世界をとりもどすための１３人の提言』（ともに青土社）など、共訳書に、『働かない
「怠けもの」 と呼ばれた人たち』（青土社）、『ヒップ　アメリカにおけるかっこよさの系譜学』（ブルース・インターアクションズ社）などがある。
2010年6月刊が日本で翻訳本が7月30日発行という異例の早さ

　【目次】

謝辞

プロローグ——番犬と泥棒
第１章　 ＨＡＬとわたし
第２章　 生命の水路
　 脱線——脳について考えるときに脳が考えることについて
第３章　 精神の道具
第４章　 深まるページ
　 脱線——リー・ド・フォレストと驚異のオーディオン
第５章　 最も一般的な性質を持つメディア
第６章　 本そのもののイメージ
第７章　 ジャグラーの脳
　 脱線——ＩＱスコアの浮力について
第８章　 グーグルという教会
第９章　 サーチ、メモリー
　 脱線——この本を書くことについて
第10章　わたしに似た物
エピローグ——人間的要素

注
もっと知りたい人のための文献一覧
　◆脳とその可塑性
　◆本の歴史
　◆読者の精神
　◆地図、時計など
　◆知性の歴史におけるテクノロジー
　◆コンピュータ、インターネット、人工知能
訳者あとがき

索引

■趣旨

あれやこれやの情報に振り回されないで、一人で集中して熟考したほうがよい

沈思黙考しなければ、思慮深くなる方法を学ぶことはできない

印刷された本の素晴らしいところは、われわれを"注意散漫"にさせないことだ。本を
読むということは、静止した対象に向かい直線的にひたすら注意や思考を持続させなければならないということだ。だからこそ、われわれは印刷されたページをめくりながら本を読むとナラティブ（物語）に非常に深いところで関わることになり、深く議論することができるようになる。対照的に大量の競合する情報や刺激に溢れているインターネットやコンピュータ画面上で（本を読むと）まったく逆のことが起きやすい。要するに、注意散漫に陥りやすいのだ。

印刷したものを読むことに比べると、オンラインで読む方が、視界を狭くしていることがある。

ものを覚えたり、学んだりするプロセスこそが、それが書かれた字であれ、他のことであれ、われわれの思考と知的な生活に深みを与えるものなのだ。

　もし脳の中に何もなければ、何も考えることはない。情報は即見つけられるかもしれないが、その情報について複雑な思考や概念的な思考を持つことはない。多くのことを覚えないで、考えたり、クリエイティブになったりすることはできない。脳を他のことをするために解放したいから、覚える必要がないことはいいことだと言うのを耳にすることがあるが、脳はそのように機能しない。記憶は異なるシステムだ。

　実際研究によると、できるだけ多くのことを記憶すると、新しいことを学ぶスピードも速くなることが分かっている。脳を記憶から解放することで、より賢くなると考えるのは間違いだ。

記憶しなければ、考えることができないから、物事を頭に入れないとだめだ。何でも検索エンジンで見つけることはできない。

　考えることが減れば、それだけ検索に頼ることになり、検索に頼れば頼るほど、記憶しなくなる。そうするといつか頭が空（カラ）になる。問題は、自分の頭の中で物事を関連させて考えることをしないと、ますます外部にあるコンピュータベースに、関連することを頼ることになる。われわれの思考の豊かさは自分の脳の中にあるつながりから来るのであって、脳の外に存在するネットワークにあるつながりから来るのではない。

われわれの知的生活の深さや、さらにいえば、われわれの文化の深さ（豊富さ）の点では、現実に（後戻りが）起きているのだ。

　インターネットをどのように活用するのがベストであるか分かっている大人でさえも、くだらない情報、重要でない情報であってもたくさんの新情報を探し続けられるということに、われを忘れてしまう。重要なことに注意を払わなくなってしまうのだ。

人を「shallow(浅薄)」にする。物事について創造的に、複雑に、概念的に考えることをできなくさせる傾向がある

インターネットよりも良い情報収集方法が存在するケースもある。また、インターネットに頼らない思考法もある

とっても美味しいです！「スーチカー（沖縄の豚肉の塩漬け）」

沖縄では豚肉を塩漬け保存する。
スーチキー（名詞）塩漬け。
スーチキーは塩漬けのことです。魚もスーチキーにすることがあるので、豚肉の場合にはスーチキージシ。
（シシ＝「豚肉」の意）

塩豚（琉球料理名・スーチキー）
塩豚（沖縄料理名・スーチキー）
スーチカー（豚の塩漬け）

参照：ベーコンはあばら肉を塩漬けしてから薫煙したもので、ハムは肉塊を塩漬け後、薫煙または加熱して仕上げる。