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2010年3月11日木曜日

三谷研爾『世紀転換期のプラハ—モダン都市の空間と文学的表象』 三元社 (2010年)

ミタニケンジ セイキテンカンキノプラハ モダントシノクウカントブンガクテキヒョウショウ サンゲンシャ
Kenji, Mitani. Prag um Jahrhundertwende.

2010年2月25日/A5判上製/334ページ/ISBN978-4-88303-264-8
NDC分類: 940.4
NDLSH: ドイツ文学--歴史--20世紀/Kafka,Franz (1883-1924)/プラハ--文学上


■内容紹介■

20世紀初頭、「近代」の波濤は中欧の古都プラハにも激しく打ち寄せた。
カフカをはじめとする「プラハのドイツ語文学」の作家たちもまた、生活世界のいちじるしい変貌と深刻な民族対立に巻き込まれていく。
彼らの都市小説を社会文化史から読みとく、意欲的なモダニズム論。

■目次■

はじめに 5

序章 国民文学史の境界 〈プラハのドイツ語文学〉研究史をめぐって 11

1 沈黙する国民文学史 14
2 表現主義論争からカフカ会議へ 18
3 〈プラハのドイツ語文学〉の研究プログラム 26
4 プラハ・ドイツ語と逸脱論的思考 31
5 研究状況の拡散 37
6 プラハ神話とその機制 41
7 本書の課題 49

第1章 文化と政治 世紀転換期のプラハ・ドイツ社会 55

1 ある知的葛藤の風景  カフカのポラク宛書簡から 56
2 ボヘミアの民族対立とプラハ・ドイツ社会 66
3 文化の政治化 80
4 閉ざされた自助的社会 93
5 対抗文化の萌芽 100
6 文学研究と想像の空間 106
7 父親的世界を超えて 112

第2章 都市空間の近代化と〈魔都〉の表象 125

1 都市空間の歴史的形成 128
2 産業博覧会と衛生化措置 139
3 モダン都市への二重のまなざし 150
4 プラハ小説の系譜 164
5 制御不能性の表象  マイリンクの『ゴーレム』 170
6 室内と郊外  レッピンの『ゼヴェリーン闇をいく』 183

第3章 モダン都市と〈交通〉の表象 213

1 往来と娼館  カフカのパリ旅行から 214
2 流通するエロス  キッシュの『娘飼い』 223
3 越境のユートピア  ブロートの『チェコ人の女中』 248
4 〈交通〉のエスノグラフィー  カフカの『失踪者』 275
5 都市経験と物語  むすびにかえて 311

あとがき 317

プラハ市街図(一九一三年版Baedekerによる) i
図版出典一覧 iii
参考文献一覧 v

■著者紹介■三谷研爾[ミタニケンジ]
1961年京都生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士後期課程中途退学。大阪府立大学総合科学部をへて現在、大阪大学大学院文学研究科教授。博士(文学)。専門分野はドイツ・オーストリア文学、中欧文化論(書籍刊行当時)

『世紀末ウィーン文化探究』西村雅樹. -- 晃洋書房, 2009.7

世紀末ウィーン文化探究 / 西村雅樹. -- 晃洋書房, 2009.7
ISBN 978-4-7710-2055-9 (4-7710-2055-8)
書名 世紀末ウィーン文化探究
サブタイトル 「異」への関わり
NDC: 940.26
NDLSH オーストリア文学 -- 歴史 -- 近代; ウィーン--文化--歴史--近代;ユダヤ人--オーストリア--歴史--近代; ジャポニスム
著者 西村雅樹
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/dokubun/nishimura.html
発行 晃洋書房(こうようしょぼう)
判型 四六判(19 x 13.6 x 2.6 cm )
頁数  242,5P
刊行 2009年7月
価格 税込 2,940円
概要(出版社) 世紀末ウィーンにおける、ユダヤ系知識人の精神状況、芸術家たちが抱いた日本への関心をめぐる問題を取り上げ、多様で豊かな文化を探究する。
概要(「BOOK」データベース)ウィーン留学期の斎藤茂吉も観たオーバーアマガウ受難劇。第二次大戦後の台本改訂における問題点の指摘、ならびに音楽家マーラーの精神性との対比を含む『オーバーアマガウ受難劇』。クリムトらによって結成された「分離派」による「日本美術特集展」に対するバールらの批評家の反応を通して、日本への関心のあり方を探った『ウィーン分離派の「日本展」をめぐって』。全十章から成る「世紀末ウィーン文化」探究成果の集成。


目次

序章 アメリカの「世紀末ウィーン文化」研究書

第�部 「異」への関わり
第一章 世紀末ウィーンにおける「異」への関わり

第�部 世紀末ウィーンのユダヤ人問題
第二章 ウィーンのユダヤ系文化史家ハンス・ティーツェ
第三章 ハプスブルク帝国末期ウィーンのユダヤ系市民
第四章 オーバーアマガウ受難劇
第五章 ヘルマン・バールと同時代のユダヤ系思想家たち

第�部 世紀末ウィーンのジャポニスム
第六章 ウィーン分離派の「日本展」をめぐって
第七章 バールの主要関心事と日本
第八章 ホーフマンスタールにとっての東洋
終章 世紀末ウィーンの芸術と光

著者の問題意識(http://www.hmn.bun.kyoto-u.ac.jp/glomus/member.html から転載)
世紀末ウィーンにおける異文化受容
   19世紀末から20世紀初頭にかけての世紀末ウィーン文化を研究するにあたっては,異文化との関わりが重要なテーマとなる。バールやホーフマンスタール等「若きウィーン派」の文学者たちの中には,日本への関心を示した人々がいた。その関心は,西洋の理性中心主義への批判という問題意識に発するものであった。この問題意識は言語への懐疑と批判として展開され,同時代に東洋思想への傾斜を示したオーストリア人マウトナーの論ともつながりを持つ。また世紀末ウィーンにあって主要な役割を果たしたユダヤ系知識人においては,キリスト教を精神的支柱とする西欧文明に同化するにあたって葛藤が見られた。シュニッツラーには,この点を扱った問題作が見られる。ユダヤ系知識人が抱えていた西欧文明受容というこの問題は,近代西洋精神への問い直しという問題として,前述のウィーンの作家たちの東洋への関心とも重なるものと言える。

『機械仕掛けの歌姫 19世紀フランスにおける女性・声・人造性』

機械仕掛けの歌姫 19世紀フランスにおける女性・声・人造性

著編者: フェリシア・ミラー・フランク著
Felicia Miller Frank
訳者: 大串尚代訳
ISBN: 9784887217683(4887217684)
価格(税込): \3,990(3,800円+税)
判頁: 四六判/398頁(ページ 367,31P)
発行年月: 2010年2月
C-CODE 0010
NDC 950.26
ジャンル 文芸 > 海外文学 > 海外幻想文学

人造美女研究の聖典!
「女性」と「人造」というきわめて今日的なテーマに対して、「声」という切り口から挑んだ意欲作。古代の物語におけるセイレーンから、映画『ディーバ』まで、女性と声との間には特別な関係があるとされてきた。その関係は何に由来するのか。本書ではリラダン『未来のイヴ』や
ヴェルヌ『カルパチアの城』、あるいはバルザック、ジョルジュ・サンド、ホフマン『砂男』を取り上げ、女性の「天使」のような声、人工的な声が、崇高をさらには芸術における近代を表すことを論じる。

【目次】
イントロダクション
第1章 母なる声への郷愁
第2章 エコーの忘れ得ぬ歌
第3章 女祭司の歌
第4章 時計仕掛けの鳥―歌手と天使と曖昧な性差
第5章 ボードレールと化粧する女
第6章 エディソンの録音された天使
第7章 人ならざるものの声、崇高なる歌
解説 高山宏
訳者あとがき/索引/参考文献/原注

原著:The Mechanical Song : Women, Voice, and the Artificial in
Nineteenth-Century French Narrative

Frank, Felicia Miller
Stanford Univ Pr (1995/07 出版)
Hardcover:ハードカバー版
ISBN: 9780804723817
DDC分類: 843.709352042
ページ数 223 ページ
http://books.google.co.jp/books?id=IvSHzvhhhboC&lpg=PP1&ots=ewLl-Wq1QT&dq=The%20mechanical%20song%3A%20women%2C%20voice%2C%20and%20the%20artificial%20in%20nineteenth-century&pg=PP1#v=onepage&q=&f=false

類書:
『人造美女は可能か?』巽孝之、荻野アンナ[編](慶應義塾大学出版会)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/takayama/archives/2007/10/post_25.html

議論の対象となる作品:
歌姫コンシュエロ 上 愛と冒険の旅 (ジョルジュ・サンドセレクション 3)
歌姫コンシュエロ 下 愛と冒険の旅 (ジョルジュ・サンドセレクション 4)

『未来のイヴ』(原題L'Ève future)はフランスの作家ヴィリエ・ド・リラダンの代表作であるSF小説
http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0953.html

カルパチアの城 (集英社文庫―ジュール・ヴェルヌ・コレクション): ジュール ヴェルヌ, Jules Verne

声と現象 (ちくま学芸文庫): ジャック・デリダ、林好雄訳

JAS研究会のお知らせ@京都大学、2010年 4月 4日(日) 13:30〜

来る4月4日(日)、京都大学で研究会(主催:西成彦〔立命大〕)が開催されます。
 これまで参加されたことが無い方も大歓迎です。
 発表の題目を見て、興味のある方はぜひお越し下さい。

           記

 JAS研究会
 日時: 2010年 4月 4日(日) 13:30〜
 会場: 京都大学 吉田南キャンパス 人間・環境学研究科棟2階233教室
 (http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access/campus/map6r_ys.htm

 研究発表 1: 近代クラクフのユダヤ人に関する一考察
          佐伯 彩 (奈良女子大学院生)

 研究発表 2: 「若きヴィルノ」の詩人アブラハム・スッケヴェルについて
          田中壮泰 (立命館大学院生)

 研究発表 3: ドイツ人の記憶と痕跡を探す旅——カール=マルクス・ガウス『散り散りのドイツ人』をめぐって
          佐々木茂人 (京都外国語大学)

 なお、研究発表の後、懇親の場を設けております。
 ご不明な点がありましたら、西村(nishimurayuu[atmarc]l03.mbox.media.kyoto-u.ac.jp )までご連絡ください。

オックスフォード大学、ボードリアン図書館の改築計画を発表

オックスフォード大学が、ボードリアン図書館の修繕・改築計画を発表しています。計画には、貴重書を始めとした特別コレクションのための質の高い書庫の新設、先進的な研究をサポートするための図書館施設の構築、展示ギャラリーや他の施設を使った資料のパブリックアクセスの拡張、という3つの目的が示されています。改築作業は
2015年に完了する予定で、800万冊を収蔵可能な新図書館"Weston Library"として再開するとのことです。

Bodleian Library unveils plans for long-awaited renovation of New
Bodleian Library(University of Oxford Bodleian Librariesのニュースリリース)
http://www.bodleian.ox.ac.uk/news/2010_mar_04

Oxford University's £78m Bodleian library plans on show(BBC News 2010/3/4付けの記事)
http://news.bbc.co.uk/2/hi/uk_news/england/8548860.stm

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