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2010年5月21日金曜日

外套 ゴーゴリ 未知谷 2009 983 一般書 所蔵

外套
ニコライ・ワシーリェヴィチ・ゴーゴリ 著 / 児島宏子 訳 / Y・ノルシュテイン 原案・跋 / F・ヤールブソヴァ 絵
四六判上製160頁 本文2色刷 2,500円(税別)
ISBN978-4-89642-263-4 C0097

あのドストエフスキーをして
「われわれは皆ゴーゴリの『外套』から出たのだ」
と言わしめた傑作!

「外套」は1841年の完成以来ヒューマニズム文学の出発点となり、その後のロシア文学に、一つの確実な方向を与えた——


今回、ゴーゴリの文章と映画の動きの元(絵コンテ)がはからずも結びつけられることになった。別の目的で作られた一連の絵が、古拙な趣の挿絵として鑑賞されることになったのだ。これは、正に当を得ていることなのかもしれない。
……
そう、動機はあった。私は坐って、アニメーション映画『話の話』のためにある種の絵、スケッチを描き、映画について考えていた。もちろん私は、考えを言葉で表現するより、絵に描く方が得手なのだ。そんなわけで、暮れなずむ頃おいに一人の男が寝台に腰掛けている絵を描いた。それだけである。それ以上何もなかった。しかし、その絵に描かれた情景を、私は以前どこかで見たことがあるような気がしていた。そう、これが『外套』の第一歩だった。(Y.ノルシュテイン、「跋」より)

撮影開始から二十余年、完成が鶴首されるY.ノルシュテインのアート・アニメ『外套』その着手期の絵コンテを挿絵に得ていち早く公開する新訳『外套』!!


目  次

本編
1
訳者あとがき
141

149

ニコライ・ワシーリェヴィチ・ゴーゴリ [Nikorai V. Gogol] (1809—1852)
ウクライナ出身のロシアの作家。若くして首都ペテルブルクに出て下級官史の貧困生活を送りながら作家となった。喜劇『検察官』の上演後、反動家たちの攻撃を受け1836年出国。パリ、ローマなどに住みつつ執筆を続けた。作品には地主階級の道徳的頽廃や官僚社会の矛盾や不正を鋭く諷刺するヒューマニズムが色濃く出ている。プーシキンとともに批判的リアリズム文学を確立し、19世紀ロシア文学の礎を築いた。

児島宏子 [こじま ひろこ]
映画、音楽分野の通訳、翻訳、執筆に広く活躍。訳書に『ドルチェ・優しく』(岩波書店)『チェーホフは蘇る』(書肆山田)『チェブラーシカ』(平凡社)『きりのなかのはりねずみ』『きつねとうさぎ』(福音館書店)『アオサギとツル』『カシタンカ』『ロスチャイルドのバイオリン』『大学生』『可愛い女』『たわむれ』『すぐり』『少年たち』(未知谷)等。日本絵本賞ほか受賞。

ユーリー・ノルシュテイン [Yury Norshteyn]
1941年、疎開先のアンドレーエフカ村生れ、1943年からモスクワ在住。1961年、 アニメーション美術上級コース卒業。映画作家
S・エイゼンシュテインに触発されアニメーション作家となる。作品に『きつねとうさぎ』『あおさぎとつる』『話の話』『きりのなかのはりねずみ』などがある。

フランチェスカ・ヤールブソヴァ
[Francheska Yarbusova]
1942年、カザフスタン生まれ、モスクワで育つ。1967年、モスクワ映画大学美術学科卒業。ノルシュテインの佳き伴侶であり、作品の美術監督を務める。繊細で美しい映像には定評がある。

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