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2010年5月29日土曜日

2010/5/23(日)に掲載された書評より

■絵本の子どもたち 14人の絵本作家の世界
水声社 寺村摩耶子著 価格:¥3,675
評 川本三郎(評論家)

紹介される絵本作家は十四人。片山健、長新太、スズキコージ、井上洋介、荒井良二、飯野和好、たむらしげる、宇野亜喜良、酒井駒子、沢田としき、谷川晃一、島田ゆか、南椌椌(くうくう)、木葉井(きばい)悦子。著者は、絵本を批評したり分析したりするよりも、こんな面白い絵本がある、こんな凄(すご)い絵本があると、自らのわくわくする感動こそを語ろうとする。自身が子供のような読者になっている。取り上げられる絵本は二百冊を超える。


■グーグル秘録 完全なる破壊
文藝春秋 ケン・オーレッタ著 土方奈美訳 価格:¥1,995
評 松原隆一郎(東大教授・社会経済学)
http://bunshun.jp/pick-up/googled/


■労働時間改革 日本の働き方をいかに変えるか
日本評論社 鶴光太郎、水町勇一郎、樋口美雄著 価格:¥3,675

http://www.rieti.go.jp/jp/publications/archives/035.html


■共感の時代へ
紀伊国屋書店 フランス・ドゥ・ヴァール著 柴田裕之訳 価格:¥2,310
評 佐倉統(東京大学教授)

動物行動学の最先端を行く著者によれば、他者のことを思いやり、他者のために行動しようとする性向、つまり共感は、人間だけでなく、他の動物にも広く見られる能力である。本書は、れっきとした科学書でありながら、心温まるエピソードで溢(あふ)れており、読者は、ディズニーの世界に足を踏み入れたかのような感動を覚えることになるだろう。
 本書には、現代の人間に向けられたメッセージもある。共感は人類が歴史に登場するよりもはるか昔に存在していた。そして、共感の進化史の末端に人類がいる。言いかえれば、人間とは共感の能力が最も進化し、高度化した種である。著者は、私たちに、この能力の堅固さと重要性に気づくよう訴える。

■さよなら絶望先生(既刊20巻 マンガ)
講談社 久米田康治著 価格:¥420〜
評 高山宏(国際日本学・明治大学教授)
http://kc.kodansha.co.jp/content/top.php/1000000196

自分で行動して、取材して、まとまった文章にして何かを伝えて世の中変えよう

ファクトではなくオピニオン系の人は、いっぱいいる。ブログで文句言ってるだけの「ガス抜き」な人は、たくさんいる。でも、事実を自分の手で発掘するために役所につっかかったり情報公開請求出したり、はしない。どこかで「誰かがやってくれる」と思ってるのが日本人。自分の仕事じゃない、と思ってる。

「正規・非正規均等待遇」の法制化、重い罰則付き。これが本丸、本質的な問題解決である。

均等の意味は、雇用保証(解雇のしやすさ)、福利厚生(年金、保険)、労働時間で差別してはならない、というオランダ方式にするのがよい。正社員とか非正規社員とかいう概念を、完全になくしてしまう。これで正社員の既得権を弱めて、非正規の権利を強めることになる。

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