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2010年8月2日月曜日

後藤忠政『憚りながら』宝島社

# 単行本: 317ページ
# 出版社: 宝島社 (2010/5/15)
# ISBN-10: 4796675477
# ISBN-13: 978-4796675475
# 発売日: 2010/5/15
# 商品の寸法: 19.2 x 13 x 2.8 cm
インタビュアー:ジャーナリスト西岡研介

かつて伊丹十三監督・襲撃事件などで日本社会を震撼させた武闘派団体・後藤組の後藤忠政組長。
08年10月に山口組を電撃引退し、翌年には天台宗系の浄発願寺で得度(得度名=忠叡)。日本中をあっといわせたのは記憶に新しい。
それから1年……財界・政界にも大きな影響力を発揮し、山口組の直参として、日本の深層を生き抜いた後藤忠政とは、いかなる人物なのか?
本書は、半年にわたる延べ50時間のインタビューを構成したもので、
これまでその人物像が明かされることのなかった伝説の組長の生い立ち、静岡県富士宮を舞台にした愚連隊時代、山口組直参昇格、竹中正久4代目の思い出、
山一抗争、伊丹十三襲撃事件、孤高の民族派・野村秋介との交友、企業社会への進出、政界との交流、武富士との攻防、山口組引退の真相
そして自身の人生哲学から女性哲学までが、たっぷりと語られる。激動の半生を送ってきた人物が語り下ろす、今年、注目度ナンバーワンのノンフィクション!!

後藤組といえば、「伊丹十三襲撃事件」。92年、映画監督の伊丹氏が後藤組組員に襲撃され、顔面などを刃物で切られ重傷を負った。民事介入暴力を描いた映画『ミンボーの女』に対する報復だった。この件につき、後藤氏は組員が勝手にやったことと述べるだけでなく、「ヤクザとしてのプライドを持っている者なら、誰がやってもおかしくないと思っていた」「ヤクザの社会では拍手喝采」とまで言い切っている。現在、得度したという者の言葉とはとても思えない。

創価学会について1章分割き、かつてやった裏仕事(学会の墓苑造成反対住民を襲撃するなど)について暴露。
池田大作名誉会長について、「一番の悪はやっぱり裏で"汚れ仕事"させといて、表では善意に満ち溢れた教祖サマ面している、池田大作」と述べている。
「一番の悪はやっばり裏で、山崎だの、�だのに�汚れ仕事�させといて、表では善意に満ち盗れた教祖サマ面してる、池田大作だろうな」

UCLAに多額の寄付をして渡米、生体肝移植の手術。前科7犯、指定暴力団直参元組長で通常はビザも下りないはずだが、FBIすら黙らせる。

オドラデクに関する日本語名エッセイ 澁澤龍彦『思考の紋章学』所収

思考の紋章学-7-オドラデク
『文芸』 15(4), p156-165, 1976-04

和図書 1−6(6件)

1. 思考の紋章学 / 澁澤龍彦. -- 新装新版. -- 河出書房新社, 2007.3. -- (河出文庫)
2. 渋沢竜彦全集. 14. -- 河出書房新社, 1994.7
3. 思考の紋章学 / 渋沢竜彦. -- 白水社, 1988.5. -- (新編ビブリオテカ渋沢竜彦)
4. 思考の紋章学 / 渋沢竜彦. -- 河出書房新社, 1985.10. -- (河出文庫)
5. ビブリオテカ渋沢龍彦. 6 / 渋沢龍彦. -- 白水社, 1980.3
6. 思考の紋章学 / 渋沢龍彦. -- 河出書房新社, 1977.5

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オドラデク跳梁--ドラコニアの1960年代 (渋沢竜彦<特集>)
高山 宏
ユリイカ 20(7), p123-135, 1988-06

異端の日本学の系譜--「しろうるり」とオドラデク (渋沢竜彦--幻想のミソロジ-<特集>) -- (批評・渋沢竜彦のビブリオテカ)
野口 武彦
国文学 解釈と教材の研究 32(8), 60-67, 1987-07

上野俊哉『思想家の自伝を読む』

上野俊哉『思想家の自伝を読む』
平凡社ライブラリー
2010年7月15日配本、翌日以降書店店頭に並びます。
(地域によって多少異なりますのでご了承ください)
336ページ
定価903円(税込)
ISBN978-4-582-85537-1

■「序章」抜粋

 「自分探し」を口にする学生や若い人に、
 わたしが決まってかけている言葉がある。
 残酷なようだが、「自分探しなんてするな」、
 「探すような自分なんてそもそもあるの?」、
 「自分なんてものを探しているヒマがあったら、
 むしろ自分が出会った他者やモノに徹底してこだわれ」・・・。
 (・・・)
 思想家や知識人の自伝について批評を試みた本書の
 究極の目的は、実はこのことに尽きる。

 この世界はもっと広いということ、
 様々に異なる文化や言語をもった地域には
 実にいろいろな他者たちがいて、
 様々なモノがあることを知ってほしい。
 「自分探し」にやっきになるくらいなら、
 とりあえず先人の試みた「自己についての記述」に
 一通り当たってみたらどうだろう?
 自伝を読むことで、すこしだけ他人の生を生きてみなよ、
 そんなふうに言いたい気分がある。
 自分に関心をもつ、自分を探すなんてヒマがあるのなら、
 人が自己について語った言葉をまず掘ってみな、
 と言いかえれば、もっとわかりやすいだろうか。
 (9-10ページ)


■目次
序章 不良中年が思想家の自伝を読みなおすきっかけ

第一章 書物という他者たちから語る
テリー・イーグルトン『ゲートキーパー』(大月書店)
ジョージ・スタイナー『G・スタイナー自伝』(みすず書房)
コリン・ウィルソン『発端への旅』(中公文庫)

第二章 自己を語ることの策略
ルイ・アルチュセール『未来は長く続く』(河出書房新社)
ジャン=ポール・サルトル『言葉』(人文書院)
ミシェル・レリス『成熟の年齢』(現代思潮社)

第三章 抵抗する自己の生
きだみのる『人生逃亡者の記録』(中公新書)
大杉栄『自叙伝』(岩波文庫)
林達夫『歴史の暮方』(中公文庫/中公クラシックス)

第四章 死ぬことを学ぶ、自己を語りはじめる
エドワード・サイード『遠い場所の記憶』(みすず書房)
谷川雁『北がなければ日本は三角』(河出書房新社)

文献案内/あとがき

■著者紹介
上野俊哉。1962年生まれ。
刊行当時、和光大学総合文化学科表現学部教授。
専門は文化研究、メディア論、社会思想史など。
和光大学ウェブサイト掲載の自己紹介文(2010.8.2確認)。
「専門としているのは、文化研究、メディア論、社会思想史など。ずっとロックやレゲエを聴いて育ってきたし、マンガやアニメをよく見るので、そうした
大衆文化やサブカルチャーについての研究や批評も守備範囲のうち。教育姿勢としては、あたりはキツいが、やる気と努力の人には甘い。

 趣味は野外のテクノパーティやハコで踊ったり、お皿回しの真似事(DJごっこ)したり、クルマをかっとばしたり、B級なんちゃってなりに料理したり
すること・・・など。

 ここ数年は、日本の大衆文化/サブカルチャーが日本の外からはどのように見られているのか? また日本のアニメ、マンガ、特撮、テクノ、グラフ
ティ・・・などから引き出せる考え方って何だろう? といったことを、これまでの学問や思想、批評とつきあわせながら考察しようとしている。

 坂口安吾や三島由紀夫をゴスやパンクの'かたわらで'考えるとか、戦中戦後の日本の思想家たち(中井正一、花田清輝など)の「日本文化」についての目線をサブカルチャーの視点から読みなおす、といった作業にとりくんでいる。

 放っておくと、ふだんでもアニメや特撮の台詞や身ぶりを、日常の真面目な場面でぽろっと出したりする。「萌え」というよりは「燃え」系の人格だが、ときおり客員教授を務めるカナダのマギル大学などでは、きっちり真面目に「オタク」や「萌え」を英語で定義して解釈したりもしている。

 自分の好きなことでお金がもらえたり、趣味を仕事にしたりするのは、大変なこともあるけれど、その方が明らかに人生は楽しい。なので、若いうちに、たとえ漠然とでも、自分の人生=生活の将来についてヴィジョンをもってみるといい。日本以外の社会では普通のこういうことが、だんだんこの国/社会では異例なことになっていることに、どういう事態かと頭をひねっている。

 馴化された家畜のように生きるより、おもしろ、おかしく、はみだした動物や植物のように生きよう。 」

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