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2011年2月24日木曜日

「私、流しのライブラリアン」藤澤聡子さん講演会

藤澤聡子 氏(講師紹介)
(アサヒビール株式会社酒類本部 マーケティング第二部)
2011年に31歳になる。大分県臼杵市出身、図書館情報大学卒。2003年アサヒビール入社。
世田谷ものづくり学校第5期生。

■■Satoko Fujisawa (藤澤聡子) | Facebook
http://ja-jp.facebook.com/people/Satoko-Fujisawa/100001412205858

■■http://twitter.com/ulis99226
twitter自己紹介 「大分県生まれ。専門図書館司書を経てマーケティング部門に在籍。本をつまみにウイスキーを楽しむ"バー読"企画や社内に独自の本棚を作る"社内本部"など、大好きな本を仕事に持ち込む自称"本バカ"。目下の関心は、本を道具に場や人のつながりをつくるコミュニケーション。得意とするテーマは酒・組織・人。」

■■ブックコンシェルジュコース1期生(2008年9-11月)
http://www.schooling-pad.jp/alumnus/d007.shtml

■■若手ライブラリアンのワークショップ式登竜門 L-1GP
L-1GP 2010 出場、2位獲得(賞金20万円)
http://www.toshokanshinko.or.jp/L1GP/2010/team6.html

■以下活動紹介
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バー読:本をつまみにウイスキーに酔う|NIKKA WHISKY
http://www.nikka.com/world/bbb/

「バー読」 in Blender's Bar
http://www.nikka.com/world/bbb/library.html

ウイスキーと読書のコラボレーション(ニュースリリース) | アサヒビール
http://www.asahibeer.co.jp/news/2009/1021.html

バーでお酒を飲みながらの読書、「バー読」 | カレントアウェアネス
http://current.ndl.go.jp/node/15084

■本とウイスキーという、ありそうでなかった組み合わせ、半歩進んだ提案が世の中に受け入れられた。
文章を書いてお金を得るということにかなりの危機感をもった「記者」という職種の人たちが特に共感してくれて、記事に取り上げてくれた。
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「ニッカウヰスキー」と「丸善 日本橋店」とのタイアップ企画
ウイスキーと書籍のセット販売『"バー読"in My Room』を開催
〜本を読みながらウイスキーを楽しむ"上質な時間"を提案〜
ニュースリリース 2010年4月8日|アサヒビール
http://www.asahibeer.co.jp/news/2010/0408.html
丸善には酒類販売免許があった!(ワインを輸入していた。今回のために免許更新していただく)

「バー読」大賞受賞2作品とウイスキー、丸善日本橋店がセット販売開始
http://nihombashi.keizai.biz/headline/54/
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読書とジャズとウイスキーが楽しめるアプリ「バー読IN MY ROOM」が公開
http://journal.mycom.co.jp/news/2010/12/14/092/

バー読 IN MY ROOM for iPad(リリース1週間で1万ダウンロード)
http://itunes.apple.com/jp/app/id396840105?mt=8
企業名は伏せて無料で品よく
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世田谷ものづくり学校
http://www.r-school.net/

スクーリング・パッド(黒崎輝男さんら名だたる有名人が関与)@廃校
http://www.schooling-pad.jp/
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"日本のウイスキーの父"ニッカウヰスキー創業者・竹鶴政孝の生涯を描いた書籍、
『ヒゲのウイスキー誕生す』を北海道内の図書館に寄贈
〜北海道立図書館において「ウイスキーセミナー」と「資料展示会」を開催〜
http://www.asahibeer.co.jp/news/2011/0124.html
企業活動ということで、公共図書館にも苦手意識があるかと思ったが、人脈を通じてアプローチ。
企業名は出さず「創業者と土地」ということでまとめたら好評。
図書館もメディアである。ぜひもっと使いこなしたい。
その第一歩として、創業の地、北海道を選んだ

アサヒにとってのメリット:失われゆく企業内資料の収集・組織化が進んだ
(企業ではアーカイブ活動はどうしても優先順位が下がりがちなので、アウトプット期限を明確化)
図書館にとってのメリット:入場希望者多数につき、別途DVD上映会でカバー!参加者には元社員の親族もあり、貴重な資料の提供あり
住民にとってのメリット:講演会・アーカイブ
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シブヤ "BAR-読"ナイト - シブヤ大学
http://www.shibuya-univ.net/bar-doku/

高橋源一郎の文章講座と、有山達也の装丁講座を経て
「10年後にウイスキーを飲みながら読みたい話」の冊子を作った

参加者がそれぞれ持ち寄った本を紹介し合う会が大好評で、毎回高倍率の抽選が・・
なぜそんなに「本を介して話す」ことの満足度が異様に高いのかは不明

朝読のように、ビジネス書を読むとか、自己啓発とかかっちりした目的があるわけではない、ゆるいお酒の場
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アサヒビール労働組合図書室
AB本部
「仕事に煮詰まったあなたへ、"思考のさんぽ"をテーマにした"社内本部"です。浅草のとある会社の労働組合がプロデュースする本棚のwebバーチャル版です。実際の本棚は本店16階で開店中。」
http://twitter.com/abhonbu
http://booklog.jp/users/abhonbu
労働組合執行委員として、本を介したコミュニケーション活動実施中。
古本回収・リクエスト本貸出(書き込みOK、持ち込みOK、記名貸出カード付)・ブグログ・twitter
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テーマ:「私、流しのライブラリアン。
〜組織で活かす"編集"と"プロデュース"能力
ニッカウヰスキーの バー読(どく) を事例に〜 」

技術情報室配属3年目の突然の商品開発部への異動。
とまどうライブラリアンが、その編集とプロデュースの力で提案した「本とお酒」の新しい関係。
ライブラリアンならではの視点から「本=情報」が紡ぎだす製品や人とのあらたな繋がりを追います。

日時 2011年2月23日(水)18:30〜20:30
会場 日本図書館協会会館2階 研修室
東京都中央区新川1−11−14 (地図は http://www.jla.or.jp/kaikan.htm を参照)
定員 45名(申し込み先着順)
参加費 3,000円 非会員:4,000円 学生:1,000円
主催 専門図書館協議会
http://www.jsla.or.jp/
講演後、質疑応答と試飲会あり

■平成22年度イブニングセミナー
専門図書館協議会では、図書館や情報センターなどに勤務する情報専門職の方、情報の探し方を
習熟されたい方、図書館情報学を学ぶ学生の方を対象とした夜間セミナーを開催しています。
今回は少し視点を変えたイブニングセミナーを企画しました。
図書館情報学から得た知識と企業ライブラリーでの経験を活かして、本を媒体に場や人のつながりをつくりだすコミュニケーションを仕掛けるなど、
"ライブラリアン"の活躍の場を拡げる藤澤聡子さん(アサヒビール株式会社)をお迎えします。
サービスの対象者を組織内から組織外へと広げ、ライブラリアンシップをピボットに、現在進行形のビジネスをお話しいただきます。


■フロアからの質問「アサヒビールは社会貢献部門がもともと盛んだが、そういった社風との関係は?」
回答「マーケティング部門の活動と、CSR部門の活動は別で、協力・連携はしていない」
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■講演会のお土産

■■『アサヒ 減肥ブレンド十六茶 PET490ml』
中国で親しまれている「減肥茶※」の発想をもとに、和漢16種類の健康素材をブレンドした健康ブレンド茶。「減肥茶」とは、中国江蘇省に起源を持つ健康ブレンド茶です。大妻女子大学の大森教授によると、減肥茶とは一般的に、烏龍茶、プーアル茶、緑茶などのカメリア属の茶と古くから食されてきた健康素材との混合茶です。「プーアル茶」「烏龍茶」「緑茶」を中心に健康素材をブレンドする減肥茶の発想をもとに、和漢十六素材をブレンドしたカロリーゼロのダイエット健康茶です。和漢十六素材全てポリフェノールを含んだ素材を厳選し、1本(490ml)当たり、190mgのポリフェノールを含んでいます。本商品はカフェインを含みます。「烏龍茶」「緑茶」「プーアル茶」をベースにブレンドしたことで、やわらかい渋みとスッキリした味わいに仕上げています。
パッケージには、十六茶ならではの価値として十六素材のブレンドをイラストで訴求しています。全体的に赤色を使用することでお茶のおいしさ感と目新しさを表現しています。

■■ニッカ 竹鶴ピュアモルトハイボール(350ml缶)[2010年11月2日 新発売]
「竹鶴ピュアモルト」の12年以上熟成したモルトウイスキーを使用し、ハイボールとしておいしく味わえるようにいたしました。やわらかな甘い香りが、ソーダによって軽快に香り立ち、後口に樽熟成したモルトウイスキーの豊かなコクと余韻が楽しめる、ピュアモルトハイボールです。」
※コンビニエンスストア限定販売

■■川又一英『ヒゲのウヰスキー誕生す』|新潮社
http://webcatplus.nii.ac.jp/webcatplus/details/book/7849800.html
オンデマンド版
http://www.shinchosha.co.jp/book/865195/

■■ニッカウヰスキー 仙台工場(宮城峡蒸留所)・北海道工場(余市蒸留所)案内パンフレット

■■本をつまみにウイスキーに酔う 文庫本カバー(紙製)

■■「Book tender 2」 チラシ
2011年、読書の旅 グラス片手に頁をめくる
期間限定ブックバー誕生。2月27日より、お酒と本と人が交感するブックバーが青山に期間限定で誕生。バーテンダーがお酒を薦めるように、個性豊かなブックテンダーが、それぞれの想いを込め、さまざまなテーマで本をお薦めいたします。お酒を飲みながら、ゆっくりご堪能ください。本から選んで、飲むカクテルを決めるブックテイルにも乞うご期待。青学西門通り、地下を降りたらそこは、本好きが集まるサロンに。

■■「バー読」ポストカード
http://www.nikka.com/world/bbb/
#bardoku

■■レジュメ(パワポ15ショットの打ち出し)
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■以下、講演内容(上掲の種々の活動報告も含む)

幼いころから大分県臼杵市にて図書館で働く女性に憧れて司書を目指し、
図書館情報大学に入学。
大学の授業開始より先にバイトを始めるような勉学態度。
司書になりたかったが、公務員試験は無理と民間(普通の就活)に転向。
アサヒビールに司書枠で入社(2003年)。
社内は高齢化しており、7年目31歳でも「下のほう」という位置づけ。
入社後は、営業と技術に分かれるが、守谷市の技術情報室(図書室)配属。
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先輩の論考:
企業の情報部門の現状と展望 : 求められる機能の変化と新ライブラリーデザインを中心に(<特集>企業の情報部門の現状と展望)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110007504228

蔵書2万冊。ビールの図書館。全国9工場と研究者のレファレンスを受ける。
市場データも技術資料も。
電子ジャーナルの契約なども経験
3か月間、ビール工場の現場で作り方を学んだことも司書業務に役立った(利用者のニーズを実感)
(あとになってみれば、3か月外に出してくれた上司の配慮には感謝しているが、行かされていた時は「なんで私が」と意味不明だった)
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2005年、専図協資金援助により、米国専門図書館協会(Special Libraries Association、SLA)の
2005 Annual Conference - Torontoに参加
http://www.sla.org/content/events/conference/ac2005/index.cfm

「若手育成基金」による会議参加報告
2005年度SLA年次大会に参加して 藤澤 聡子
専門図書館 No.213  2005−III 、83ページ。
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帰国後、7月からの商品開発部(@成田)異動を聞かされ、現在に至る(部署名変更あり)。
(会議参加前から異動は決まっていたが、計らいで帰国直後に空港から電話すると通告された・・・。そのとき熱を出していたので悪い夢だと思った)

2002年にアサヒビール(株)、協和発酵工業(株)、旭化成(株)の酒類事業の譲受、マキシアム・ジャパン(株)の戦略的販売提携による、総合酒類新体制をスタートしており、2006年1月ニッカウヰスキー(株)と合併など、焼酎・リキュール・梅酒など多種類の商品を扱い、多数の会社文化がまじりあう刺激的な部署。
営業経験なしで、(営業実績を積んだ人が憧れて異動する)花形の「マーケティング部門」に来て「何ができるの?」ときかれ
「私は司書です」と答えた。建物・資料・使命なしの「司書」である自分に、なにができるのか、問われて必死に考えた。
夕方4時に泣きながら会社を脱走したことも。

5年間マーケティングを学べたことはとてもよかった。
手法や環境は日々刻々と変わるが、基本は「人・物・金」の動かし方
売上、という目に見える結果(単年度、ごく短いスパンで求められる)

2010年9月から、RTD(缶チューハイ)営業販促を担当。
ニッカシ−ドル
http://www.asahibeer.co.jp/products/wine/brand/nikka/
シングルカフェモルト
http://www.nikka.com/products/index.html
カロリー50%オフ、紙パック入りの「やさしさ梅酒」
http://www.asahibeer.co.jp/yasashisaumesyu/
果実の瞬間
http://www.asahibeer.co.jp/k-shunkan/
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世田谷ものづくり学校で共有スペースに図書室を作ろうというプロジェクトを立ち上げて挫折
→このとき、「本を介して人をつなげたい」という自分の内なる欲求に気づく
組織がないのに、あちこちと交渉して物事を決める立場ってつらい・・・
→プレイヤーからプロデューサーへと転身、「仕事」として「発注」するようになれば回りだす
理想へのこだわりを捨てたらものごとが動き出した

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■商品開発者と司書の違い
情報の鮮度が命 ←→信頼度が大事
部分的でもいい ←→網羅性を重視
単眼的 ←→ 複眼的・多角化
世の中の変化、人の変化を敏感にキャッチ ←→ テクニカルにチェック、長期スパンで資料・情報を扱う

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■いま求められている「司書」的仕事
選書(雑誌における本の特集、ブックカフェや書評ブログの増加)
編集力(膨大な情報の取捨選択と組織化)
古代においては仏教、中世は茶道、明治期は語学が担っていた「現代人の知性」、今なら「編集力(集めて編む)」と言えるのでは?
世の中に必要とされることをしないと生き残れない!!
拡張現実(AR)ならぬ、「拡張司書」。

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■ウイスキーと読書の共通性
ジャンル=原酒のタイプ
一文字=一滴
選書=ブレンド
図書館=貯蔵庫
自分のペースでゆっくり楽しめる
(気の抜けたビールは飲めないが、高アルコール、香り高さゆえウイスキーなら氷が解けてもOK)
複雑な香味、風土・作り手・作られた時間に思いを馳せる
副交感神経刺激
想像力を働かせる
蘊蓄を語る
ブレンダーと司書は、ともに「人間性・創造性・テクニカルをもった相談者」
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優秀な頭脳は持ち合わせているため、担当業務についてはそれなりに格好のついた形にはなっている。しかし、全力で取り組んでいるというには程遠い。

いま、大企業の多くで、新人・若手の問題がボディーブローのように企業の足元を揺るがせている。彼らの多くが、伸び悩んでいる。そして、その事実を人事部が把握していないケースも少なくない。その典型は「早期離職」と「メンタル」。

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