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2010年6月21日月曜日

2010年6/20(日)に掲載された書評

■カフカ Classics in Comics
ヴィレッジブックス 西岡兄妹、フランツ・カフカ著 池内紀訳 価格:¥1,365
評 中条省平(学習院大学教授)
■カフカ自撰小品集
みすず書房 フランツ・カフカ著 吉田太郎訳 価格:¥2,940
評 中条省平(学習院大学教授)

『マネジャー13の大罪—ビジネスの致命傷を避ける法 (BEST OF BUSINESS)』

マネジャー 13の大罪
—ビジネスの致命傷を避ける法—

書籍 四六判 上製 248 ページ
ISBN-13 978-4-532-31625-9
発売日 2010年05月発売
# 単行本: 245ページ
# 出版社: 日本経済新聞出版社 (2010/05)
# ISBN-10: 4532316251
# ISBN-13: 978-4532316259
# 発売日: 2010/05
# 商品の寸法: 19 x 13 x 2.6 cm

「ベスト・オブ・ビジネス」シリーズ最新作。人を使う立場にある人なら誰でも読んで納得できる、時代と業種を超えて通用する普遍的内容の一冊です。
責任をとらない、部下を育てない、目標達成基準を設けない……失敗するマネジャーに共通する13の誤りを回避し、出世に欠かせない「管理職ノウハウ」をマスターせよ!
全米の管理職に25年以上も愛読されてきた名著。

大罪その1:結果に対して責任をとらない:効果的な仕事をするには、マネジャーが責任を持たねばならない
大罪その2:部下の育成を怠る:マネジメントの目的は、時間の経過や人事異動、当事者の不在などがあっても事業が継続すること
大罪その3:やる気を起こさせない:生産性の高いレベルで仕事をすることが自分には無理だと思っているスタッフの態度を改めさせること
大罪その4:組織内での立場を忘れる:上級管理者に対して「彼ら」といった代名詞を使っていればそのマネジャーは経営に参加しているとはい
えず、正しい態度であるとは言えない。
大罪その5:部下と一対一で接しない:うまく行かないマネジャーは、個人的な接触を避けたがり、そこで部下をひとまとめにしていちどきに対処し ようとする。
大罪その6:利益の重要性を忘れる:利益を上げない限り、どれだけすばらしい製品、販売、PR、社員であっても、すぐにトラブルに陥ってしまう。
大罪その7:問題点にこだわりすぎて目的を見失う:時間がないという多くのマネジャーは、売上げの1割にしか影響しないことに9割の時間をかけている
大罪その8:部下との間に一線を引かない:少なくとも会社の一番大事な顧客に対してやらないことは、部下にも決してしてはならない
大罪その9:目標達成基準を設けない:個人や企業のプライドを高めるために設定する
大罪その10:部下の実務能力を過信する
大罪その11:部下のたるみに目をつむる:不満足な仕事には目をつぶるべきではない。そのためには、対立を回避しないことが重要である。対決の仕方としてはGAPが役立つ。
G:意見を言わせる(Get his opinion)
A:実行すべきことについて合意する(Agree what will be done)
P:望ましい行動を積極的に強化する(Positiveli reinforce the desired behavior)
大罪その12:成績のよい部下だけに目をかける:利益を上げている企業は、実績が中位の信頼できる勤勉な社員と、少数のスーパースターの上
に事業を構築している。したがって、中位の社員に気を配るべき
大罪その13:アメとムチで部下を操ろうとする:部下に生産性を上げさせるためには
・恐怖
・報酬
・信念を育てるもの
のいずれかしかない。

T・G・マサリク『ロシアとヨーロッパ ロシアにおける精神潮流の研究 』

ロシアとヨーロッパ—ロシアにおける精神潮流の研究 (1)
ISBN4-915730-34-4 C0022
A5判上製376頁
定価5040円(本体4800円+税)
2002.10

チェコの思想家T・G・マサリク(1850-1937)はロシア研究家としても名高く、そのロシア研究の集大成が本書である。この著作は、ロシア精神史研究の古典として知られ、各国語に訳されており、邦訳も、第1、2巻については、かつてみすず書房から『ロシア思想史』の題名で出されている(現在は絶版)。今回の邦訳は、まだ日本語に訳されていない第3巻を含めた全3巻を、プラハのマサリク研究所が厳密な校訂を経て刊行したチェコ語版(1995-6
年)から訳したものである。

第1部「ロシアの歴史哲学と宗教哲学の諸問題」では、ロシア精神を理解するための前提として、ロシア国家の起源から第一次革命に至るまでのロシア史を概観する。第2部「ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略」では、チャアダーエフからゲルツェンまでの思想家たちを検討する。

* 目次

+ はしがき
+ 序 ロシアとヨーロッパ——ロシアの僧侶
1. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の諸問題
1. 「聖なるルーシ」——第三のローマとしてのモスクワ
2. ピョートルの改革。ロシアとヨーロッパの結合
3.
フランス革命後の神権政治的反動と、セヴァストーポリに臨んでのその敗北。政治的、哲学的革命の始まり。(エカテリーナ二世——ニコライ一世)
4. 一八六一年の農奴解放と行政改革
5.
束の間の自由主義の後の、ニコライ体制の復活と継続。——テロリズム的ゲリラ革命の発展と、その犠牲者としてのアレクサンドル二世。——強化された神権政治的反動とその反テロリズム。日本との戦争における神権政治的反動の敗北
6. 最初の大衆革命と憲法の始まり。反革命
7. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の諸問題(総括)
8. ロシア研究のための文献
2. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略
1.

9. P・J・チャアダーエフ。正教の神権政治に対するカトリックの神権政治
10. スラヴ主義。正教の神権政治のメシアニズム。スラヴ主義と汎スラヴ主義
11. 西欧主義。V・G・ベリンスキー
12. 西欧主義とスラヴ主義との統合。アポロン・グリゴーリエフ
13. アレクサンドル・ゲルツェン。哲学的、政治的急進主義
+ 訳者あとがき
+ 人名索引


ロシアとヨーロッパ—ロシアにおける精神潮流の研究 (2)
# 単行本: 508ページ
# 出版社: 成文社 (2004/06)
# ISBN-10: 4915730352
# ISBN-13: 978-4915730351
# 発売日: 2004/06
# 商品の寸法: 21.2 x 15.6 x 3.8 cm

ISBN4-915730-35-2 C0022
A5判上製512頁
定価7245円(本体6900円+税)
2004.06

チェコの思想家T・G・マサリク(1850-1937)はロシア研究家としても名高く、そのロシア研究の集大成が本書である。この著作は、ロシア精神史研究の古典として知られ、各国語に訳されており、邦訳も、第1、2巻については、かつてみすず書房から『ロシア思想史』の題名で出されている(現在は絶版)。今回の邦訳は、まだ日本語に訳されていない第3巻を含めた全3巻を、プラハのマサリク研究所が厳密な校訂を経て刊行したチェコ語版(1995-6
年)から訳したものである。

第2部「ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略」(続き)では、バクーニンからミハイローフスキーまでの思想家たち、反動家たち、より新しい思想潮流を検討する。第3部第1編「神権政治対民主主義」では、西欧哲学と比較したロシア哲学の特徴を析出し、ロシアの歴史哲学的分析を行う。

* 目次

2. ロシアの歴史哲学と宗教哲学の概略(続き)
2.

14. M・A・バクーニン。革命的アナーキズム
15. リアリズムとニヒリズム。チェルヌィシェフスキーとドブロリューボフ、ピーサレフ
3.

16. ラヴローフとミハイローフスキー。いわゆる社会学的な主観主義者
4.

17. 公的な神権政治の理論家たち——カトコーフ、ポベドノースツェフ、レオーンチエフ
18. ウラヂーミル・ソロヴィヨーフ——神秘主義としての宗教
5.

19.
現代の社会主義——マルクス主義と社会民主主義。マルクス主義とナロードニキ主義。マルクス主義における危機。宗教問題——社会革命党
20. 現代のアナーキズム——P・クロポトキン。アナーキズムと社会主義
21. 自由主義
22. 革命主義の危機によせて——宗教問題
3.

1. 神権政治対民主主義——革命の問題
23. ロシア哲学における認識論の問題
24. ロシア哲学の宗教問題
25. 神権政治対民主主義
26. 民主主義と革命
27. 聖なるルーシ——ロシアの修道僧とフォイエルバッハ
+ 人名索引


ロシアとヨーロッパ—ロシアにおける精神潮流の研究 (3)
# 単行本: 474ページ
# 出版社: 成文社 (2005/09)
# ISBN-10: 4915730360
# ISBN-13: 978-4915730368
# 発売日: 2005/09
# 商品の寸法: 21 x 15.4 x 3 cm

ISBN4-915730-36-0 C0022
A5判上製480頁
定価6720円(本体6400円+税)
2005.08

チェコの思想家T・G・マサリク(1850-1937)はロシア研究家としても名高く、そのロシア研究の集大成が本書である。この著作は、ロシア精神史研究の古典として知られ、各国語に訳されており、邦訳も、第1、2巻については、かつてみすず書房から『ロシア思想史』の題名で出されている(現在は絶版)。今回の邦訳は、まだ日本語に訳されていない第3巻を含めた全3巻を、プラハのマサリク研究所が厳密な校訂を経て刊行したチェコ語版(1995-6
年)から訳したものである。

第3部第2編「神を巡る闘い——ドストエフスキー」は、本書全体の核となるドストエフスキー論であり、ドストエフスキーの思想を批判的に分析する。第3編「巨人主義かヒューマニズムか——プーシキンからゴーリキーへ」では、ドストエフスキー以外の作家たちを論じる。

* 目次

3.


+ まえがき
2. 神を巡る闘い——ロシア問題の歴史哲学者としてのドストエフスキー
+ ドストエフスキーの伝記
+ ドストエフスキーの公式
1. ニヒリズム——アナーキズム的無神論
2. ゾシマ——宗教哲学(ニヒリズムを克服するロシアの修道僧)
3. フォイエルバッハ対修道僧
4. 大審問官
5. 異端者ゾシマ——懐疑主義者ドストエフスキー
6. 哲学と教養
7. 宗教と道徳I
8. 宗教と道徳II(カラマーゾフ主義)
9. 殺人と自殺
10. ドストエフスキーの公式は誤っている
11. ロシアの全人
12. 人間性と民族性。民族性と宗教
13. ショーヴィニズム。人名の浪費
14. ロシア的性格
15. ロシアとヨーロッパ
16. 外交政策——内政に勝る外交
17. 内 政
18. ツァーリズム
19. ベリンスキーからウヴァーロフへ

3. 巨人主義かヒューマニズムか——プーシキンからゴーリキーへ
+ ロシア文学と世界文学におけるドストエフスキー
1. A・S・プーシキン
2. オネーギン——ファウスト
3. G・G・バイロン
4. ミュッセのローラ
5. M・J・レールモントフ
6. N・V・ゴーゴリ
7. I・A・ゴンチャローフ
8. I・S・トゥルゲーネフ
9. L・N・トルストイ
10. デカダン派
11. M・ゴーリキー
+ 結論
+ 断片
+ マサリクとロシア——ヨーロッパから見たロシア——石川達夫
+ 人名総索引

『ページと力 手わざ、そしてデジタル・デザイン』

ページと力
手わざ、そしてデジタル・デザイン

鈴木 一誌 著
200210刊/四六判/390頁
C1070 定価2940 円(本体2800 円)
ISBN4-7917-6000-X


ページを生み、書物を生み出す力が世界を動かす。
デジタル時代を迎えたデザインは、「情報を公開する技術」としての性格を強め、そこに出現した文字は、言葉とのズレと不安にふるえている。グラフィック・デザイン界きっての論客が、デザインの基本と実践を詳細に分析、「ページネーション」「フォーマット」というキーワードを、文字とテクスト、文学・芸術と〈作者〉、さらには現代文化・社会そのものを見直すための概念へと鍛え上げる。

本書はタイポグラフィに関する素材が豊富に解説されその真髄を追及しているが,単なるグラフィックアーツ関連のハウツウ本でもないところに意義がある。タイポグラフィに関して,広角な視点から分析および解析をしている。


ページネーションとは,本来「丁付け」という意味に使われ,その後「ページを構成する文字・図形・画像を一括してレイアウトすること」という意味として捉えられていた。しかし本書では,「一つずつの活字を拾うことで行になり,行が集まってページとなる。ページネーションとは,本の1ページを生み出していく行為でありつつ,同時にページ相互の連続性を誕生させていくことだ」と述べている。

【目次】

まえがき ページを生み出す力

1 文字
    タイポグラフィとはなにか
    文字の不安
    滲む文字
        うさぎという漢字
        文字は実在するか
        グリフという運動
        ひとつの意味、ひとつのかたち
        文字コード問題とはなにか
        包摂は編集である
    東大明朝を解説する
    テクストは文字の集合か 東大明朝「六万四千漢字」を批評する
    書くことの孤独から 石川九楊「文学は書字の運動である」をめぐって
    書体の向こうの鈴木勉

2 デジタル化されるデザイン
    集合名詞としての作者
    デザインとことば
    日本語の特質とデザイン
    印刷という定点
        印刷する権利
        刷り出し立ち合い
        印刷工場で
        校正と本機のちがい
        完全な見当はない
        一色がむずかしい
        特色という概念
        インキを盛る
        印刷会社のこれから
        手の記憶
        段ボール印刷という文化

3 ページネーション
    ページネーションは生命の活動である
    ページネーションとは
    『シカゴ・マニュアル』との出会い
        マニュアルの世紀の「究極の一冊」
        ランニング・ヘッド
        DTPとマニュアル
        ちがいの証言
    「ページネーション・マニュアル」の提起
    行を演出する

4 フォーマット
    版面の内と外
    フォーマットの誕生
    しごとの角度
        三〇分の一
        次郎長三国志
        技術をもち運ぶ
        専門家を定義する
        「しごと大好き」が前提か
    余白は孤独ではない
    衝突する場としてのページ

5 法とデザイン
    知恵蔵裁判とはなにか
    知恵蔵裁判を語る
    本文がない
    見える/見えない 「知恵蔵裁判」と『知恵蔵裁判全記録』

6 テクストから書物へ
    その場から身をひき剥がす
    書物の敷居学 ジェラール・ジュネット 『スイユ テクストから書物へ』
    デザインという空間
        流動する平面
        見たいものだけを
        輪郭偏重の世界観
        時間とデザイン
        ステップを刻む
        原稿用紙
        ファンシーからファインへ
        濁点はなぜふたつか
        自分を編む
    平面と立体 杉浦康平と書物
    文学にフレームを与える 菊地信義の装幀
    切断する傍点 金井美恵子 『重箱のすみ』

7 間メディア
    線的思考 複製論3

あとがき
索引
初出・もとになった原稿

ページネーションのための基本マニュアル
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[著者] 鈴木一誌(すずき・ひとし)
1950年東京生まれ。
グラフィック・デザイナー。
東京造形大学在学中より杉浦康平のアシスタントをつとめ、85年独立。
装幀ばかりでなく、
本文、図版レイアウトを含めた書物全体の設計にたずさわるブック・デザインをしごとの中心とする。
93年から現代用語辞典 『知恵蔵』 の本文レイアウト・フォーマットをめぐって朝日新聞社と著作権裁判を争ういっぽう(99年敗訴)、
96年、デジタル・デザインでページを生み出すための基本ルール
『ページネーション・マニュアル』 を提起し、著作権フリーで公開。
また「文字コード問題」にも積極介入するなど、旺盛な執筆活動を展開、
81年、第一回ダゲレオ出版評論賞を受賞以来、映画評論家としても活躍し、
映画本の造本・装幀も多く手がける。
著書に、2001年 『知恵蔵裁判全記録』(共著、太田出版)、
2002年 『画面の誕生』(みすず書房)などがある。

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