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2010年6月22日火曜日

『闘う小説家バルザック』

闘う小説家バルザック
芳川泰久
ISBN4-7967-0219-9
1999年5月
2800円
四六判上製304頁
エディション: 単行本
出版社: せりか書房
出版日: 1999/05
ISBN-10: 4796702199
ISBN-13: 978-4796702195

19世紀初めパリのパサージュを通行する群衆の中に小説の登場人物と読者を発見し、彼らの欲望が織りなす近代社会の縮図を全く新しい知的パラダイムのもとに描いたバルザックの創造の秘密に迫る

バルザックは、現代的なジャーナリズムや出版業界の勃興(ぼっこう)期に身を置き、小説家という新たな「職業」を生きた人間だった。評伝ではなく、出版・パリ・解剖学・三角測量など、核となるテーマや想像力の根源から解明する手法が新鮮。

折しも二百年生誕を機に、日本で五月二十日の誕生日にあわせたかのように、芳川泰久『闘う小説家バルザック』(せりか書房)、石井晴一『バルザックの世界』の二著が出、鹿島茂・山田登世子編バルザック『人間喜劇』コレクション(藤原書店)の第一回『ペール・ゴリオ』の新訳も出た。さらに大矢タカヤス編になるバルザック『人間喜劇』全作品あらすじもその別巻として刊行された。まことににぎわしいバルザックの復権の様である。


目次

1830年〈パリもの〉の誕生
私生活の発見
小説のパサージュ
両性具有—sexualit´eの顕現
「動物」はいかに分類線を横断するか
遠征—異種との遭遇
解剖小説家
活字鋳造・植字・組版
地上を天上に折り畳む論理
〔ほか〕

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