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2010年4月8日木曜日

共有企業図書室というビジネスモデル

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■「読者起点が出版業界を変えていく / aguni」
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共有企業図書室というビジネスモデル

最近、企業研修などを行っていて思うのは、最近の若い人は本を読まない、
ということです。いや、若い人だけではないかもしれません。タレントみたい
な一昔前の「知識人」っぽい人が書いた本は読んでだとしても、いわゆる基本
書と言われるような人の本を好んで読んでいる人に、あまり出会いません。

そもそも本というのは娯楽のために読むか、知識を得るために読むか、その
どちらかしかなかったわけです。前者はまあ、面白ければ何でもいいのですが、
問題は後者でしょう。知識ということになると、本来は大学などのアカデミッ
クな現場からしたたり落ちるものを垣間見するようなものであったはずが、い
つの間にか、知がファッションになり、娯楽化する中で、その本質的なところ
を見失ってしまっているような気がしてならないのです。

知の生産現場に期待されている役割の本質は、歴史という観点から見れば、
人類の知の体系化であり、整理です。しかし、現時点でその役割を大学などの
アカデミックな現場に求めるのは無理な気もします。そうすると、したたり落
ちた結果を集めて整理整頓するしかないように感じるのです。それが図書館で
あり、書誌データではないかと思っています。

ということで、今回は、新しい形の企業内図書室のビジネスモデルのアイデ
アについてご紹介したいと思います。

いまどき、立派な図書室がある会社がどれくらいあるのかわかりませんが、
バブルの頃に作ってしまい、運営にひぃひぃ言っている会社さんもあるのでは
ないか、というのがこのアイデアの発端。何しろ図書室は本を買い続けなけれ
ばならないし、場所も必要です。

そもそもいまどき、本社や研修所にしか図書がないというのもナンセンスな
気もします。各事業所まで配達してくれるならまだしも、読みに来いと言われ
て、交通費かけて行くわけもなく。。。社内便で送ってくれるような会社、あ
るのでしょうか?

だったら、外部サービスで図書室があればいい、というのが今回のご提案。
いわゆるクラウドサービスですよ。実際に各企業に納入するのは図書管理ソフ
トのみ。あとは在庫あるなしを表示させ、注文と回収は運送会社さんにお願い
すればOK。本社は倉庫ひとつあればできるビジネスです。

もちろん、図書室言うくらいですから雑誌くらいは欲しいですね。これはま
あ、デジタルデータで充分かもしれません。イントラ版にすれば、そもそも図
書室という場所も不要で、機能だけを提供できますね。

ともかく、従業員の皆さんの負担なしに、成長意欲のある人がばんばん本を
読める環境を整えてあげること。これは目に見えない企業の知的資産につなが
っていくことは間違いありません。だって、読書というのは業務時間外に勉強
してくれるツールなんですよ。業務時間内にお金を払って研修するより、どれ
だけ意味があるか、その効果ははかりしれません。

こういうところにお金を使わないから、日本の生産性がどんどん下がってい
くのではないでしょうかね、、、という営業トークはいかがでしょう?(笑。

こういうビジネスモデルは在庫とサービスと料金との兼ね合い(バランス)
がポイントになります。先行モデルは既にあって、ネットのレンタルDVDの
サービスですね。以前、立ち上がった頃は、儲かるの?という感じでしたが、
うまいバランスを生み出せたようで、結構、人気になっているようです。

まあ、ただ、BtoCとBtoBではポイントが若干、変わってくるかと思
いますが、そこはまあ、実際にこのサービスをやってくださる会社さんが出て
きたら、個別にレポートしてみたいと思います。

そんなことより、あなたの会社にもこんな図書室、できたらいいと思いませ
んか?

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