その辺の話がわかりそうな本
『西洋の書物工房 ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで』
貴田庄著 芳賀書店
パリ装飾美術書物中央校で製本や装丁を学び、ブリュッセルで高名な製本家ウラジミール・チェケルール氏に師事した貴田さんが15年かけて記した、「物」としての本の本。
羊皮紙、小口装飾、花切れ、製本....と、本を構成する各部分をひとつひとつ取り上げて、その歴史から細かく、わかりやすく解説。
●目次一覧●
第1章 書物の考古学
CDとロゼッタストーン/パピルスから羊皮紙へ/紙の登場/『四十二行聖書』/ウィリアム・モリスの試み
第2章 西洋の紙「羊皮紙」
羊皮紙の誕生/蝋板から冊子本へ/羊皮紙作り/羊皮紙とヴェラム
第3章 本の誕生と製本術
コデックスの誕生/製本術の変遷/画家の描いた書物
第4章 ケルムスコット・プレス
理想の書物/ケルムスコット・プレスの製本装丁/羊皮紙とヴェラムの製本術/中世の花切れとケルムスコット・プレスの花切れ/ケルムスコット・プレスと日本の書物
第5章 モロッコ革を求めて
『パンタグリュエル物語』のモロッコ革/フランスの山羊革/イギリスのモロッコ革/さまざまなモロッコ革/フレンチ・モロッコ革
第6章 フランスの革装本
仮綴本の誕生/愛書家ジャン・グロリエ/謎の製本家ル・ガスコン/革装本の製本工房/ロマン主義の革装本/ブラデル式製本とマリユス=ミシェル
第7章 天金と小口装飾
天金とテンペラ画/金箔打ち/天金術/天金の歴史
第8章 花切れ
花切れとヘッドバンド/花切れの誕生と変遷/手編み花切れ
第9章 マーブル紙と見返し
マーブル紙の誕生(マーブル紙と細密画・日本のマーブル紙「墨流し」・中国のマーブル紙「流砂牋」)/半革装本とマーブル模様/見返し考
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