著/武田徹
発行/中央公論新社
中公文庫
解説
恐怖の宣伝、強制収容、終身隔離……「病んだ」共同体はいったいどこへ向かうのか。ハンセン病を軸に日本社会の「病い」観を問いなおす。
神谷美恵子『生きがいについて』を批判。
目次
序章 終わりからはじめること
第一章 近代国家であるために
1 一等国の鏡像
2 文明国という盛装
第二章 隔離という病いをめぐって
1 ほどけぬ封印
2 見えない病棟
第三章 「奇妙な国」の論理
1 人工共同体
2 生活者の場所
第四章 「牧人」の系譜学
1 楽天地と家族主義
2 『小島の春』
3 フーコーの図式
第五章 生きがい論の陥穽
1 「死と再生」のドラマ
2 ハンセン病文学
3 「かい」と「生きがい」のあいだに
4 目的論の暴力
第六章 ユートピアの枠
1 O‐157、一九九六
2 最小国家
3 冷たい義理
終章 そして、都市へ
あとがき
その後のこと──文庫版刊行に際して
参考文献
著者
武田 徹(たけだ とおる)
1958年、東京生まれ。 国際基督教大学人文科学科卒。同大学院比較文化研究科博士課程修了。評論家・ジャーナリスト・メディア社会論研究。著作多数。