著者:小林 章(ライノタイプ・ライブラリ社タイプディレクター)
発行:株式会社美術出版社 www.bijutsu.co.jp
定価:2,500円(税別)
発売日:2010年6月25日(予定)
【目次】
第1章 文字のなりたち
第2章 欧文書体を知る
第3章 欧文書体の選び方
第4章 欧文書体の楽しみ方
第5章 欧文書体の作り手から
第6章 これから学ぼうとする方に
あとがき 読者のためのタイポグラフィ
内容紹介:
雑誌『デザインの現場』に1年間に渡って連載してきた「欧文書体Q&A」が書籍になりました。書き加えた部分もかなりあります。内容は、タイトル通り欧文書体の使い道についていろんな方向からとらえたハンドブックです。アルファベットの成り立ちを簡単に紹介した後は、現場ですぐ役立つ情報を図版入りで解説しています。フォントの中に入っている記号類の正しい使い道や、どういう雰囲気を出したいかによって書体を使い分けるヒント、さらに上級者向けの欧文組版のコツが書いてあります。現場で活躍するプロのデザイナー向けに書きましたが、初心者や学生にもとっつきやすい内容になったと思います。例えば書体名が読みづらいものも中にはあるので、すべて書体名にはカタカナで読みを添えました。「Peignot」「Veljovic」なんて書体はとっさになんて読んだらいいか分からないじゃないですか。そんなことでその書体が使いにくくなってはつまらないので、なるべく欧文書体を身近に感じてもらって、使ってもらいたい。日本での文字組版がもっと美しくなって、世界に通用するようなものがどんどん出てきて欲しい。そんな気持ちで書きました。
「現場で活躍するプロのデザイナーのお役に立つこと」を念頭に書いたハンドブックです。これまでの「アルファベットのレタリング」の本とはだいぶ違います。
過去のレタリングの本に必ず出てきた「書体の細かい分類」や「文字の各部の名称」などの用語の羅列は、大して役に立たないし退屈なので大半を削りました。私はドイツの書体メーカーで欧文書体のディレクターをやって5年目、タイポグラフィのコンテストの審査員もつとめてきました。その現場で使わない言葉は日本のグラフィックデザイナーの方々も使わないだろうと思います。役に立たないどころか、日本で伝わる欧文書体デザインの「専門用語」の中には海外でまったく通用しないものもあります。ヨーロッパにいると、欧米と日本とのそういうズレが見える~~ので、世界レベルの正しい使い方を書きました。
歴史の話はほとんど出てきません。アルファベットの成り立ちを簡単に紹介した後は、現場ですぐ役立つ情報を図版入りで解説しています。フォントの中に入っている記号類の正しい使い道や、どういう雰囲気を出したいかによって書体を使い分けるヒント、さらに上級者向けの欧文組版のコツが書いてあります。
「簡単なことを簡単に書く」ことも大事に考えました。プロ向けではありますが、入門者や学生にもとっつきやすい内容に、ということです。カッコつけるよりは分かりやすく、と思って。例えば、ローマ字だけでは読みづらい書体名があるので、すべて書体名にはカタカナで読みを添えました。「Peignot」「Veljovic」なんて書体はどう読んだらいいか分からないじゃない~~ですか。そんなことでその書体が使いにくくなってはつまらないので、なるべく欧文書体を身近に感じてもらって、使ってもらいたい。日本は世界でも指折りのデザイン先進国です。そこから発信する欧文の文字組版がもっと美しくなって、世界に通用するようなものがどんどん出てきて欲しい。そんな気持ちで書きました。
「世界に通用する欧文書体の使い方」って、考えてみれば当たり前ですよね。でもそういう本が今までなかったんです。
小林 章
1960年新潟市生まれ。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒業。1983年から約6年間株式会社写研で写植用文字デザインを担当の後、欧文書体の基礎を学ぶ必要を感じて退社する。1997年にフリーランスの欧文書体設計家として独立し、2000年までの間にアドビシステムズ、フォントショップ・インターナショナル、ITCなどから欧文書体を発表。1998年U&Ic
type design competitionでCliffordが最優秀賞、本文部門1位同時受賞。2000年International
type design contestでConradが本文部門最優秀賞に選ばれる。他、本文部門を中心に受賞多数。現在ライノタイプ・ライブラリ社タイプディレクターとしてドイツに在住。おもな職務は、書体デザインの制作指揮と品質検査、新書体の企画立案など。2001年のモスクワの新書体コンテストでマシュー・カーター氏らと審査員、2004年ニューヨークでTDCコンテストのタイポグラフィ部門審査員、同年ライノタイプ・ライブラリ社新書体コンテストでエリック・シュピーカーマン氏等と審査員をつとめる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
武蔵野美術大学視覚伝達デザイン科卒業。1983年から約6年間株式会社写研で写植用文字デザインを担当の後、欧文書体の基礎を学ぶ必要を感じて退社する。1989年から約一年半のあいだ英国ロンドンでカリグラフィとタイポグラフィについて学ぶ。1990年に帰国の後、有限会社字游工房でデジタル書体「ヒラギノ明朝体・ゴシック体」の制作に参加し、1993年から株式会社タ~~イプバンクでタイプバンク書体用の従属欧文を制作する。
1997 年にフリーランスとなり、Adobe Systems、FontShop International、International
Typeface Corporation、Linotype Library、TypeBox
など海外の書体メーカーから欧文書体を発表し、欧米の書体コンテストで受賞多数。
2001 年春より、Linotype Library~~
社のタイプディレクターとしてドイツに在住。主な職務は、書体デザインの制作指揮と品質検査、新書体の企画立案など。
2001 年、モスクワで開かれた国際書体コンテスト「bukva:raz!」で審査員。
2004 年、ニューヨークのType Directors Club 年鑑の編纂にあたりタイポグラフィ部門審査員。
同年ドイツの Linotype Library 社主催の国際書体コンテスト審査員。