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2010年8月3日火曜日

『デューラーと名声 芸術家のイメージ形成』

秋山 聰 著
B5判上製函入
口絵18頁
本文372頁
挿図213点
価格/24,150 円(税込)
ISBN978-4-8055-0397-3
# 出版社: 中央公論美術出版 (2001/03)
# ISBN-10: 4805503971
# ISBN-13: 978-4805503973
# 発売日: 2001/03
# 商品の寸法: 27.2 x 19.2 x 3.8 cm

■内容紹介

生前より一貫して名声を保ち続けた画家デューラーが、どのようにして名声を意識し希求したかを分析する。作品中に仕掛けられた技量の誇示(デモンストレーション)などを指摘し、美術の展開に果たした名声のメカニズムの役割を明らかにする。巻末には15、16世紀ヨーロッパにおける「描かれた蝿」の作例を網羅した作品カタログを掲載する。
【地中海学会ヘレンド賞】

イタリアに対する文化的劣勢の克服を願っていたドイツ人文学者たちにとって、デューラーは希望の星に映ったにちがいない。画家が共同体の名誉を高め、広く喧伝するに学者以上に有効な存在であることを彼等はイタリアにおける先例から熟知していた。彼等はデューラーに待望久しい文化的英雄としての可能性を看て取った。いまやデューラーの使命はイタリアにおいて己の技量を認めさせることにあったといえる。このような状況下の第二次イタリア旅行において、デューラーがどのように効果的に技量を誇示したのか、が本書の主たるテーマとなる。

第2次イタリア旅行において、デューラーはどのように効果的に技量を誇示したのか。意図的に鑑賞者の関心を作品から制作者へと導くこの時期の作品の仕掛けを具体的作例に即して検討し、デューラーの名声形成の構造を解明する。

■目次

デューラーの自己成型:"1500年の自画像"を中心に
第二次イタリア滞在における技量の誇示
 描かれた蠅
 速筆
 醜い形象
 異なる作風の併用
デューラーと名声のメカニズム

■著者紹介

長崎出身。1986年東京大学文学部美術史卒業、同大学院博士課程中退、フライブルク大学で博士号取得、電気通信大学助教授、東京学芸大学助教授、2002年『デューラーと名声』で地中海学会ヘレンド賞受賞、2007年東京大学准教授。09年『聖遺物崇敬の心性史』でサントリー学芸賞受賞。

■エッセイ

「SPAZIO」第65号 (July, 2006) 【電子化第3号】
デューラーの《二皇帝像》と聖なる見世物
秋山聡 (あきやま あきら 東京大学助教授)
http://www.nttdata-getronics.co.jp/profile/spazio/spazio65/akiyama.htm

「SPAZIO」第63号 (June, 2004) 【電子化第1号】
ドイツ美術はなぜ「醜い」か
秋山聡 (あきやま あきら 東京学芸大学教育学部助教授)
http://www.nttdata-getronics.co.jp/profile/spazio/spazio63/akiyama.html

「SPAZIO」 62号 2003年4月発行
デューラーの《蝿》をめぐる謎 ─── 秋山 聰

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