ディケンズ
伊藤弘之,下笠徳次,隈元貞広 訳
■赤229-8
■体裁=文庫判・並製・カバー・440頁
■定価 987円(本体 940円 + 税5%)
■2010年4月16日
■ISBN978-4-00-322298-0
■内容紹介
1844年7月,32歳のディケンズは家族とともにイタリアに向けて出発した.ジェノヴァを拠点に,およそ1年にわたって,ヴェネツィア,ピサ,ローマ,ナポリなど各地を見て回った.本書はディケンズ独特の観察眼が発揮された臨場感あふれる紀行文となっており,随所に滲み出ているカトリック批判はとりわけ印象深い.本邦初訳.
1844年に家族と馬車でイタリアへ出かけたディケンズが、約1年にわたって各地を旅した紀行文集。街や人の醜さを容赦なくとらえながらも、ヴェネツィアは夢のように揺れ、ポンペイの灰とヴェスヴィオ山は絵画的に迫る。皮肉と風刺のたっぷりきいた文章はやや読みづらいが、充実した訳注に助けられる。
Pictures from Italy (1846年5月末)
日刊紙≪デイリー・ニューズ≫に連載した(1846年1月21日〜3月)イタリア旅行記「旅のスケッチ」(Travelling Letters)に5章加えたもの。
■目次
読者のパスポート
フランスを経由して
リヨン、ローヌ川、およびアヴィニヨンの"鬼婆"
アヴィニヨンからジェノヴァまで
ジェノヴァとその周辺
パルマ、モデナ、そしてボローニャへ
ボローニャとフェッラーラを通過
イタリア幻想
ヴェローナ、マントヴァ、そしてミラノを経由し、シンプロン峠を越え、スイスへ
ピサとシエナを経由してローマへ
ローマ
走馬灯